【第1部】東京⇔名古屋 下道バイク旅|無計画ソロツーリングの結末

【第1部】東京⇔名古屋 下道バイク旅|無計画ソロツーリングの結末と反省点


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【第1部】東京⇔名古屋 下道バイク旅|無計画ソロツーリングの結末

バイクヘルメット




【第1部】無計画で決行!東京⇔名古屋、下道ソロツーリングの全記録


 

元店長シバ:
こんにちは!元店長シバです。


「東京から名古屋まで、下道だけでバイクを走らせたら、一体いくら浮くんだろうな…?」


連休を前にしたある日、そんな下らない(くだらない)好奇心と、亡き友人の墓参りという目的が、ふと重なりましてね。


若気の至り、と言えば格好はいいですが、私はほぼ無計画・無準備のまま、800kmの旅に出ることを、決めてしまったわけです。


これは、そんな私の、今思えば無鉄砲(むてっぽう)なソロツーリングの、汗と反省の体験記ですよ!


私のイラスト AIさん

【かろうじての準備】バイク点検と「お疲れ度メーター」


元店長シバ:
無計画ったって、さすがにマシンの点検くらいはしとかないと、後で泣きを見ますからね。


いつものお決まりで「前後タイヤの空気圧」「オイル量」「ラジエーター水量」「プラグの具合」「ライトの点灯」なんかを、ざっと点検しました。長丁場(ながちょうば)を走るんで、リアタイヤの空気圧だけは2.2キロと、ちいと高めにしてね。


そして、今回の旅の相棒は、イタリア生まれの愛車「ジレラランナーST200」。水冷200ccの、そいつぁもう軽量で元気なスクーターですよ。


ジレラランナーST200


元店長シバ:
ちょうど2連休。「こりゃあ、いっちょ名古屋まで走ってみるか」なんて、思いついじまったわけです。


ただ、マシンの準備はしたものの、肝心の自分自身の支度をすっかり忘れてやがりました。これが、この旅の最初のケチのつきはじめでしたな(苦笑)。


東京湾岸地区の出発風景


元店長シバ:
まあ、それはさておき、今回の過酷な旅のために、私独自の「お疲れ度メーター」ってもんを導入します。自分の体力が今どれくらい残ってるか、勘ピューターじゃなくて、数字で意識してみようって算段です。


現在の疲れ度:0/100


どういうことかって言うと、長距離をぶっ通しで走ってると、「疲れたな、でも、もうちょい行けるか」なんて無理をしちまう。あの感覚ですよ。


身体はとっくに悲鳴をあげてるのに、アクセルを戻せない。私ぁ、それで過去に何度もヒヤリとしたことがありましたから。


疲れ度100/100ってのは、もう「ぶっ倒れる寸前」ってことですわ。


この数字が頭に浮かんだら、「四の五の言わずに、すぐ休め!」と、自分に言い聞かせるための、大事な目印です。


特に、独りっきりの長旅じゃあ、この「自分を見極める目」が、何より大事ってもんですよ。


話は戻りますが、出発は「東京湾岸地区」目的地は友人の家がある「名古屋北区」と、相成りました。


現在の疲れ度:0/100。さて、いっちょ行きますか!


【道中記:往路】地獄の始まり(東京 → 名古屋)


@ 東京〜箱根越え:迫りくる「寒さ」と「渋滞」


元店長シバ:
さて、出発だ。いつもの通り、走り慣れた第3京浜から海沿いの国道1号へ。西湘バイパスを抜けて小田原までは順調そのもの。そのまま箱根湯本、強羅、芦ノ湖と、天下の国道1号をひた走る、お決まりのルートですよ。


ところが、連休ってのをすっかり忘れてやがりました。


湯本から芦ノ湖まで、クルマがビッシリと数珠つなぎの大渋滞。まあ、こちとらバイクですからね、その脇をスイスイと、と言いたいところでしたが…


湯本駅の手前から、運悪く工事で道が狭くなってやがる。「こりゃあ、すり抜けもままならねぇや」ってんで、結局、ここでとんでもない時間を食っちまいました。


元店長シバ:
おまけに、山を登るにつれて、空気がどんどん冷たくなってきやがる。


東京じゃあ、夏のポカポカ陽気で「こりゃ楽勝だ」なんて油断してたんですが、箱根の山を舐めちゃいけません。夏だってのに、山の上は寒くて、ともかくブルブルですよ…!


箱根の山道


元店長シバ:
ここで私を救ってくれたのが、ヤフオクで1万円ぽっちで落札した、あの「Schottライダージャケット」です。


そいつに、おまけみてぇに付いてた付属のインナーが、今回の大活躍でした。


いつもは「夏用ジャケットに、インナーなんて邪魔くせぇや」と、置いていくことも多いんですが、この日に限って、虫の知らせか、ちゃんと持ってきた。これが、今回の旅で唯一のファインプレーだったと、後で思い知るわけです。


ライダージャケットってのは、コケた時の「鎧(よろい)」みてぇなもんだとばかり思ってましたが、まさか、このペラペラの防風インナーが、これほどまでに有り難いとは知りませんでしたね。


元店長シバ:
おまけに、この日は一日中、横風がひどかった。


私の愛車(ジレラランナー)は、軽量でヒラヒラ曲がれるのが取り柄ですが、裏を返せば、風にゃあとことん弱い。


もし、あのインナーがなかったら、風に煽られるバイクと、体温を奪う冷たい風との相乗効果で、私の「お疲れ度」は、とっくに振り切れてたでしょうな。


Schottライダージャケット
(夏用なんで、メッシュ素材に長袖と、この付属インナーが付いてました)


ジャケットの裏側
(ジャケットの裏側に貼り付けたインナーです。まあ、ないよりマシって感じでしたが)


メッシュ部分
(こんなところまで、しっかりメッシュでね)


防風インナー
(このペラペラの防風インナーに、命を救われることになるとは…)


現在の疲れ度:30/100(渋滞と寒さの二重苦で、早くも疲労が蓄積してきました…)


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【元店長の教訓@】装備は「最悪」を想定せよ

バイクのロングツーリングでは、天候や気温の急変が命取り。今回の私のように、真夏であっても防寒・防風インナーや雨具は、絶対に携帯すべきですよ。



A 三島〜掛川:「快適なバイパス走行」と「忍び寄る疲労」


深夜のバイパス走行


元店長シバ:
箱根の山を下り、三島を過ぎる頃にゃ、もうすっかり日が暮れちまってね。


「おいおい、まだ三島かよ…」と。


自分の立てた予定が、いかに甘かったかを、じわじわと噛み締めた瞬間でしたよ。


ところが、ここからの自動車専用バイパスが、案外、走りやすかったんでさぁ。


真っ暗闇のバイパスでね、片側1車線だから、後ろからせっつかれる心配もない。ただひたすら、前を走るトラックの赤いテールランプだけを見つめて、マシンに身を任せる。


聞こえるのは、自分のマシンの心地良いエンジン音だけ。「あーぁ、バイク乗り、やってて良かったなぁ…」なんて、独りごとを言ってみたりしてね。こういう瞬間があるから、やめられねぇんですよ。


元店長シバ:
あ、そうそう。ここは自動車専用道なんで、原チャリ(原付1種)なんかじゃ走れませんから。そこは、お間違えのないように。


現在の疲れ度:70/100(なんて格好つけてても、疲れは、しっかり溜まってやがりました)


B 掛川〜浜松:「道の駅」の洗礼と「GS店員の沈黙」


元店長シバ:
東京を出発して、初めてのまともな休憩です。もうフラフラでね、たまたま見えた「道の駅」の明かりに、まるで虫みてぇに吸い寄せられちまったんですわ。


後で調べたら、「道の駅 掛川」って場所だったようです。


もちろん、こんな真夜中じゃ売店なんざ閉まってますわな。


階段を上がった暗い入口のところで、私と同じような旅人か…いや、ありゃ自転車だったかな?何人かが地面にマットを敷いて、寝る支度をしてるんです。


「この人ら、飯はどうすんだろ…」なんて、他人事ながら心配してみたりしてね。


ただ、バイクで乗り付けたのは私だけだったもんで、なんだかジロリと見られちまってね。


多分、「こんな夜中にバイクで来るなんざ、ロクなもんじゃねぇ」って顔に書いてありましたよ(苦笑)。


まあ、こんな体験も、独り旅の醍醐味ってもんですよ。昼間だったら、こうはいきませんから。


「道の駅掛川」、あそこは不思議な場所でしたなぁ。


車で寝てる人、飯を食ってる人、ぶらぶら散歩してる人、おまけに、地元の若い衆が駐車場でブインブイン唸らせてたり…いろんな人生がごった煮になってるみてぇな場所でね。


でも、妙な連帯感みてぇなもんもあって、「ああ、面白い場所だなぁ」と、そう思ったわけです。


道の駅 掛川


元店長シバ:
一服して、「さて、もうひとっ走りしますか」と、再び出発です。


とは言っても、私の愛車はハイオク馬鹿食い(平均8km/L)のクセに、タンクが小さいもんだから、給油が頻繁でかないません。


案の定、すぐにガス欠ランプがつきやがりまして、静岡の某GSに滑り込みました。


そこで私ぁ、疲れ切った頭で、そりゃあもう間抜けな質問をしちまったんです。


 

私:「ここから名古屋まで、どのくらいの時間かかりますか?」

 

店員:「えっ、今から名古屋までこのバイクで行かれるのですか。それは…」


元店長シバ:
店員の兄ちゃんが、ポカンとした顔で、ピタッと黙り込んじまってね。


あの「間(ま)」が、これからの道のりのヤバさを、何よりも雄弁に物語ってましたよ…。


そりゃそうですよね。こんな真夜中に、下道で名古屋まで行こうなんて物好きは、そうそういねぇってこった。


それ以上は聞くだけ野暮ってもんで、私も黙ってガソリンを入れてもらいました。


現在の疲れ度:80/100(浜名湖あたりで小雨にも降られ、あのインナーがまた役に立ちました)


ロングツーリングで道の駅の大切さを、身をもって知る!


元店長シバ:
いや、この旅で、私ぁ、気がついたことがありまさぁ。


疲れがいい塩梅(あんばい)に溜まってきた、ちょうどその時に、まるでオアシスみてぇに「道の駅」が現れるってことにね。


今までも、道の駅の存在なんざ知ってましたよ。


ですが、あれがドライバーにとっていかに大切なもんか、今回の旅で身に沁みましたなぁ。
それくらい、道の駅ってのは、疲れた身体に、そりゃあもう優しい場所なんですわ。


元店長シバ:
私だけじゃないと思うんですが、多くのドライバーが、いい感じで走ってると、なかなか停まる決心がつかない。


「トイレは我慢」「腹が減っても我慢」「眠くても、もうちょい我慢」…あの、妙な感覚ですわ。


なぜ、あそこで停まれないのか、自分でも分からねぇんですが、私も昔、腹が減ってから5時間以上もハンドルを握り続けたことがありましたから。


ですが、そんな妙な心理状態の時でも、不思議と「あ、道の駅なら、ちいと休むか」という気にさせられる。


あれは、きっと疲れを計算して、絶妙な場所に建ててるんでしょうなぁ。


あの、本線からの分岐の作りも、実によくできてる。


「(そのまま)行くか、寄るか」一瞬迷ったときに、スッと誘い込まれるように、できてるんですなぁ。


深夜の国道1号は、24時間スタンドが多くて、ちいと安心


元店長シバ:
暗い夜道を走ってると、給油タンクの容量が少ないバイク乗りは、ちいと不安になるもんでさぁ。


私もたまに夜走りしますんで、夜間の給油スタンドのことは、気になっちまうタチでね。


今回の愛車はハイオク馬鹿食いでしたが、以前はタンクが水筒みてぇに小さいトライアルマシンに乗ってたことがありまして。


燃費が悪ィ、タンクが小せぇ、となれば、次の給油地まで持つか、そりゃもう、気が気じゃありませんわ。


特に夜間はスタンドが閉まっちまうんで、郊外の夜道は、本当に心細いもんです。


ですが、今回の国道1号線には、いや、感心しましたね。


深夜だというのに、意外と多くの24時間スタンドが、こうこうと明かりをつけて営業してるんですから。


「こいつは安心だ」と思いましたな。


掛川から清水へ:単調な走りが、肩と腰に響く


元店長シバ:
「道の駅 掛川」を出ると、道は山あいに入り、あとは周りの車に合わせて、ただ、ただ走る…そんな単調な時間が続きましたなぁ。


確かに、走りそのものは楽なんですが、掛川市から磐田市を抜けるあたりで、じわり、じわりと疲れが肩や腰に溜まってくるのが分かりまさぁ。


どんなに楽な走りだって、同じ格好を何時間も続けりゃあ、身体がこわばって、走りにまで響いてくるもんです。


こういう感覚が来たら、すぐに停まって、短時間でもいいから、軽いストレッチで身体を伸ばしてやるこった。


そこで、ちびっと飲み物を口にしたり、何か軽く腹に入れるのも、また効くんですよ。


天竜川を渡り、浜松へ:忍び寄る「小雨」と「疲労」


現在の疲れ度:80/100


元店長シバ:
ようやく天竜川を渡り、ここからは浜松市ですわ。


市街地を抜けて、いよいよ海沿いの道へ。もうすぐ浜名湖のはずだ、そうすりゃあ名古屋はもう目と鼻の先ってもんですよ。


…と、思った矢先でしたな。浜名湖あたりで、ポツリ、ポツリと、あいにくの小雨が降り始めやがりました。


もちろん、こちとら無計画ですから、雨の対策なんざ、一切しておりません。


仕方ねぇや、と、あのSchottのジャケットに、再びインナーをねじ込んで、そのまま走り続けることにしました。まったく、あのペラペラのおまけインナーが、またしても命綱になるとは…皮肉なもんです。


道の駅潮見坂を過ぎ、名古屋市内へ


元店長シバ:
浜名湖近くの「道の駅潮見坂」の看板を横目に、いよいよ名古屋市街へ向けて北上します。


ですが、ここからが、またキツかった。


今まで快適に走れたバイパスとは大違いで、信号が、まぁ、増えやがるんですわ。
あの「走っては停まり、走っては停まり」の繰り返しが、いかにライダーの体力を奪うか…。快適な巡航走行は、もう終わりです。疲れが、一気に倍増していくのが分かりました。


おまけに、あれほど安心させてくれた24時間営業のGSも、めっきり少なくなってきやがった。


現在の疲れ度:90/100
(名古屋はもうすぐ。その一心だけで、アクセルを開けてましたな)


深夜の国道を走る


C 名古屋到着:そして、深夜2時の「途方」


元店長シバ:
名古屋の郊外に入ったあたりで、地元のバイク集団に囲まれる、なんてハプニングもありましたが、もうこっちはそんな相手をする気力も残ってやしません。力を振り絞って、ただただ前へ。


浜名湖で冷えた身体が、今度は名古屋市内に入った途端、妙な熱気で蒸し暑く感じてね。これが、また疲れを倍増させやがりました。


そして、ついに、午前0時30分。名古屋、到着です!


現在の疲れ度:100/100


元店長シバ:
いやぁ、出発時にぼんやり考えてた到着時刻が、夜9時。きっちり4時間半も遅れてのゴールインですわ。


まさに想定外。疲れは限界。それでも、名古屋の地に立てた達成感で、思わずヘルメットの中で「ヤッター!」と、叫んでましたね。


ですが、まだ旅は終わっちゃいません。目的の友人の墓参りです。


深夜の、見知らぬ市内で、名古屋北区までの道が、これがまた分からねぇ。


歩いてる人に声をかけ、交番に飛び込み、なんとか友人の家を探し当てました。


深夜にもかかわらず快く迎えてくれたご家族に感謝し、仏壇に手を合わせ、これで、名古屋まで来た最大の目的が、ようやく完了したわけです。


元店長シバ:
ご家族に深夜の非礼を詫び、ふたたび愛車にまたがったのは、もう午前2時を回っていました。


…しかし、喜びも束の間。


私は、名古屋駅近くのコンビニの駐車場で、缶コーヒーを片手に、完全に、途方に暮れていたのです。


 

「目的は果たしたけど、このあと、どうしようか?」


元店長シバ:
そう、私ぁ、名古屋に着いたはいいが、その後のこたぁ、何ーんにも考えてなかったんですわ。


仕方ねぇから、名古屋駅の近くだったかな、高速の高架下みてぇなとこのコンビニにバイクを停めて、缶コーヒーをすすりながら、さてどうすっか、と思案に暮れたわけです。


名古屋のコンビニ
(その時に寄ったコンビニです。赤丸の中の…)


元店長シバ:
高架の下を、地元のバイクがブインと走り抜けていく。


「ああ、あの人らぁ、もうすぐ家なんだろうな」と。


疲れ切ったこちとらにゃあ、そりゃもう、うらやましくて仕方がなかったですわ。


元店長シバ:
後から言やぁ、もし予定通りに着いてたら、「地元のクラブとやらに顔を出して、疲れたら温泉でひとっ風呂」なんていう、遊びの算段だけは、ちゃっかり立ててたんですがね。


深夜2時じゃあ、どっちも「本日終了」ですよ。すべてが、パーですわ。


仕方なく、「…ええい、ままよ。ちいと東京の方へ、戻ってみるか…」と、力なくスタートを切ったんです。


元店長シバ:
なぜ「戻る」じゃなくて「戻ってみるか」だったかって?


そりゃあ、あなた、こんなに苦労してたどり着いた名古屋に、トンボ帰りで「さよなら」は、あまりに未練ってもんでしょう。そういう気持ちがあったんですな。


高架下を名古屋港の方へ走らせてると、目に入った「国道1号 豊橋」の標識。そいつに従って左に折れた。


でもね、私ぁ、一つだけ、最後の望みを思い出してたんです。


来る途中で見かけた、あの「日帰り温泉」の看板のことを。


元店長シバ:
確か、名古屋から30分も走らねぇ場所だったはずだ。


あの明かりさえ見つかれば、今夜はちゃんと休める…!


そう思ったら、自然とアクセルを握る手にも力が入ってきやがりました。


D 最後の絶望:明かりは、点いていなかった…


 

元店長シバ:
「よーし、あそこの温泉で寝るぞ!」


元店長シバ:
ところが、30分走っても、40分走っても、あの来るときに見たはずの「光」が、一向に見えてこねぇんですわ。


「あれっ、おかしいなぁ…」


そして、私ぁ、この旅一番の絶望を味わうことになりまさぁ。


その温泉、とっくに閉店してたんです。


 

「おいおい、24時間営業だったんではないのかよ!!」


現在の疲れ度:120/100(メーター、振り切っちまいましたよ)



【道中記:復路】地獄と天国(名古屋 → 東京)


E 深夜の罠:「ネズミ捕り」と「道間違い」


元店長シバ:
いや、もうね、最後の望みだった温泉にも見放されて、まさに絶望のど真ん中ですよ。


そんなフラフラの頭で東京方面へバイクを走らせていると、ふと、前を走るトラックが、妙に不自然なブレーキを踏みやがった。


おまけに、対向車線から、トラックがパッシングを一発。


(…ピーンと来たね)


長年のバイク乗りの勘が、「この先、ヤバいぞ!」って、脳みそに直接響きやがりました。


元店長シバ:
…案の定、やってやがりましたよ。深夜のネズミ捕りです。


ご苦労なこった。間違いなく有人の光電式。センサーをパイロンでこっそり隠す、あの昔ながらのやり方でね。


こんな真夜中に、こんな場所で、よくもまあ…と、疲れ切った頭で、理不尽さに腹が立っちまってね。


「こんな所で、他県ナンバーのカモを待ってんのか!」って。


まあ、私は地元の運ちゃんの機転に救われて、とっくに減速してましたから、無事通過ですわ。


深夜のネズミ捕り
(深夜でしたから場所は定かじゃねぇですが、地図の赤丸、この辺りだったはずです。方向は名古屋から東京方面でした。皆さんも、どうかお気をつけて)


ここへきて、痛恨の「道間違い」!


元店長シバ:
ネズミ捕りを抜けて、ホッとしたのも束の間。


今度は、決定的なミスをやらかしちまいました。


道を間違えた交差点


元店長シバ:
たぶん、あの豊橋市内の「西八町交差点」だったはずですわ。路面電車の軌道があったのを、ぼんやり覚えてますから。


疲れた頭で、暗い標識がもうよく見えねぇ。そのまま真っ直ぐ、国道259号とかいう、全く知らねぇ道に入っちまってた。


国道1号へは、あそこを直角に、左に曲がらなきゃならなかったんですなぁ…。


元店長シバ:
10分くらい走って、「なんか景色が違うぞ…」と。今まで見えてた「東京方面」の標識が消えたことで、ようやく気がついたってわけですよ。


もうね、プッツリと、何かが切れましたね。


道を間違えたショックで、その場でバイクを停めて、道路の脇で、私、仰向けに大の字ですよ。みっともねぇったらありゃしねぇ。


深夜で誰も通らねぇから、そのまま道路の縁で、寝てたんでしょうなぁ。


30分くらい経った頃ですか、地元のお巡りさんに職質されて、それで我に返りました。


そりゃあ、バイクの横で男が倒れてりゃ、誰が見たって「事故か、事件か!?」ってなりますわな(苦笑)。


幸いだったのは、マシン(バイク)だけは、ピンピンしてたこと。それだけが救いでした。


現在の疲れ度:140/100(メーターはもう、とっくに振り切れて、訳のわからねぇ数字になってやがりました)


F 聖地「道の駅 潮見坂」で、夜明けを待つ


元店長シバ:
もう、フラフラでしたよ。道を間違えたショックもデカくてね。


そんな時、暗闇の前方に、あの「道の駅」の看板が見えたんです。もう、明かりに吸い寄せられる蛾(ガ)みてぇに、ハンドルを切って、そのまま飛び込みましたわ。


そこが、あの「道の駅 潮見坂」だったんです。


道の駅 潮見坂


道の駅 潮見坂のマップ


元店長シバ:
早速バイクを停めて、「道の駅 潮見坂」の案内板の前で、独り、記念撮影ですわ。


この旅で、初めて撮った写真でしたな。


あたりはまだ真っ暗でしたが、そんなこたぁどうでもいい。「ここまで来たぞ」っていう、証拠が欲しかったんでしょうなぁ。


元店長シバ:
「腹減ったな…コンビニでもねぇか」と、最後の望みをかけて周辺をうろついてみましたが、まぁ、何にもねぇ(苦笑)。


時刻は、もう午前4時近くだったと思います。


正直、疲れはピークでしたが、「写真だけは撮っておこう」と、800キロを共に走った愛車(ジレラランナー)の写真を何枚か撮りました。


愛車ジレラランナーST200


元店長シバ:
ヘルメットを脱ぐと、内側が汗と油で、じっとりと湿っぽくなってる。


フッと星空を見上げて、深呼吸を一発。


「疲れてるはずなのに、なんでか、気分が良い」


そんな、不思議な高揚感がありましたよ。


道の駅 潮見坂の夜景


「道の駅 潮見坂」 たまたまの道の駅。本当に、ありがたかった。


元店長シバ:
売店はもちろん閉まってましたが、諦め悪く、食堂のメニューを覗き込みましたね。
「浜名湖名物のウナギ」「しらす丼」「朝定食」


閉店ガラガラのドア越しに、その文字を、そりゃあもう、穴が開くんじゃないかってくらい、何度も見ましたよ。


「俺なら、迷わずウナギ丼だ…」
「いや、この疲れ切った胃には、朝定食かもしれねぇ…」


頭ん中が、もう食い物のことでいっぱいですわ。腹が、減ってたんでしょうなぁ。


国道1号を挟んで海が見える


元店長シバ:
いくら恨めしそうに眺めたって、レストランの営業は8時半から。足湯は10時から。
「…諦めるしか、ねぇか」



上の写真は、たぶん足湯のある施設のようです。


暫くすると空が明るくなってきました。


仕方なく、足湯の施設の近くだったかな、あの長椅子に、ゴロンと横になりました。とにかく、身体を休めねぇと。


道の駅の長椅子


元店長シバ:
そうこうしてるうちに、東の空が、うっすらと明るくなってきやがった。


聖地「道の駅 潮見坂」と、感動の朝日


道の駅 潮見坂の朝日


元店長シバ:
いやぁ、不思議なもんですな。朝日を浴びると、身体の芯から、力が湧いてくるんですよ。


今まで暗闇だった国道1号も、その向こうの海も、ハッキリと見えてきた。


「ああ、30時間も走り続けて、俺はこんな場所にいたのか」と。神様がくれた、ご褒美だと思いましたよ。


道の駅 潮見坂 バイク
(これが、夜が明けてから撮った愛車です。驚いたことに、すぐそこが海でね。どうりで、夜中あんなに寒かったわけだ(笑))


海沿いの国道1号


元店長シバ:
あのペラペラの夏用ジャケットだけで、よく凌いだなと、我ながら感心しましたよ。


ただ、この時ばかりは、「手ぬぐい1本でもあればなぁ」と思いましたね。枕にもなるし、首に巻けば防寒にもなる。「ロングツーリングに、手ぬぐい1本」。こいつぁ、覚えておくべき教訓ですわ。


「道の駅 潮見坂」の味噌汁感いっぱいの「あさげ」の匂いが


元店長シバ:
そうこうしてると、道の駅のスタッフらしき人が、歯ブラシ片手に、眠そうな顔で出てきましてね。


多分、あの裏手の母屋じゃあ、味噌汁のいい匂いがしてるんだろうな、と。


「あさげ」ですよ。


普段なら何とも思わねぇ光景が、疲れと空腹が極限の今、痛いくらいに、現実として突き刺さるんです。


「俺は、ここで何やってんだろ…」


そんな、夢の中にいるみてぇな気分でしたな。


現在の疲れ度:80/100(眠れなかったが、横になっただけで、ちいと回復!)


最後の根性(こんじょう)で、いざ箱根越え


元店長シバ:
「道の駅 潮見坂」で、ありがてぇ仮眠がとれた。身体はまだ鉛みてぇに重かったですが、不思議と夜明けと一緒によ、気力だけは戻ってきたんですわ。


「よし、行けるところまで行こう」。腹も減ったままでしたが、マシンに火を入れて、一気に静岡から三島、そして最後の難関、箱根山を目指したわけです。


元店長シバ:
行き(ゆき)は真っ暗闇で何も見えませんでしたが、帰りの道は、そりゃあもう、別世界でした。


バイパス沿いの山並み、目に痛いほどの新緑。浜松あたりじゃあ、高架の上から街の景色がバーッと開けてね。


「ああ、俺はこんな所を走ってたのか」と。こういうのがあるから、ツーリングってのはやめられねぇんですなぁ。


箱根湯本 日帰り温泉


G【旅のクライマックス】箱根湯本「箱根の湯」に救われる


箱根湯本「箱根の湯」


箱根湯本 日帰り温泉


元店長シバ:
最後の力を振り絞ってね、箱根の山を越え、私ぁ、もう「ある場所」のことだけを考えてました。箱根湯本にある、いきつけの日帰り温泉、「箱根の湯」ですわ。


現地に着いたら、まだ開店前でね。駐車場の隅っこにバイクを停めて、目の前にそびえる「大」の字の山を、ただボーッと眺めてました。


「辛いことばかりだったが、最後にひとっ風呂くらい、いい思いをしねぇとな!」


そう心に決めて、開店と同時に飛び込みましたよ。


元店長シバ:
いやぁ…あの露天風呂は、効きましたなぁ。


赤く色づき始めた山々を眺めながら、熱い湯に浸かって、一杯のウドンをすする…。


「この瞬間のために、俺は30時間も走ってきたんじゃねぇか」と、本気で思いましたよ。


日帰り温泉「箱根の湯」のホームページ、ここに貼っときますんで。箱根湯本まで行ったら、あなたもぜひ、寄ってみるといい。


よーしゃ!もうひと頑張り、いってみようか!


箱根の山


元店長シバ:
きっと箱根にゃあ、私みてぇな馬鹿(バカ)な旅人を見守ってくれる、山の神様でもいるんでしょうなぁ。


現在の疲れ度:40/100(身体の芯から生き返った!)


元店長シバのワンポイント:
この「箱根の湯」のように、旅の疲れを癒してくれる温泉宿は、最高の「攻めのコスパ」です。優待券で交通費が浮いた分、ちょっと良い宿に泊まってみるのも、最高の旅の思い出になりますよ。

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【元店長のワンポイント】浮いた交通費で、旅をアップグレード!


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元店長シバ:
露天風呂で生き返った私は、もうこっちのもんです。


その後は、湘南バイパスから第三京浜を流して、夕方頃には、無事に東京のうちに帰り着くことができました。いやはや、長い旅でした。


【第1部のまとめ】無計画な旅の、反省と教訓


バイクで東京に到着


元店長シバ:
あの箱根の湯でどうにか生き返って、夕方、無事に東京のうちに帰り着きました。いやはや、30時間以上もロクに寝ず、ほとんど食わず、ひたすら走り続けた無茶な旅が、ようやく終わったわけですわ。


元店長シバ:
じゃあ、この無謀な旅で、俺が骨身に沁みて学んだ「反省点」は何か?


そりゃあもう、「計画」と「準備」ってもんを、完全に舐め(なめ)てかかったこと、これに尽きます。


もし、あなたがこれから長旅に出ようってんなら、最低でも、これだけは守ってくだせぇ。私の失敗談からの、心からのお願いですわ。


  • 計画:
    どの道で行くか、どこで休むか、どこに泊まるか、カネはいくら使うか。当たり前の計画を立てる。

  • 準備:
    雨具、防寒具、着替え、地図、充電器、工具、それと健康保険証。これらをケチらない。

  • 手ぬぐい1本:
    たかが手ぬぐい、されど手ぬぐい。防寒に、枕に、汗拭きに。こいつが、あるとねぇ、本当に助かるんですよ。

  • マシンの点検:
    出発前に、必ずバイクの機嫌を伺っておくこと。

  • 勇気:
    そして最後に、自分の体力を過信しねぇ「引く勇気」を持つことです。


元店長シバ:
長旅ってのは、山の天気みてぇなもんです。標高差、寒暖差、いきなりの雨風。これに対処できる準備が、あなたの命を守るんですからね。


下記は、今回お世話になった「道の駅」の地図ですわ。


こんなに沢山あるんですから、計画的に使えば、疲れなんざ半分以下にできたはずなんです。私ぁ、それすら怠った(おこたった)わけですな…(苦笑)


東京-名古屋間の道の駅マップ


元店長シバ:
さて、ここまでが、私の無鉄砲な冒険の、一部始終です。


元店長シバ:
…で、だ。


あなたが一番聞きたいのは、そこじゃあないですよね?


この旅で、私は「節約」という、最初の目的を、本当に達成できたのか?


「結局、カネはどうだったんだよ!」と。


よろしい。


第2部では、この旅にかかった全てのカネをAIと徹底的に計算し、「バイク(下道・高速) vs 新幹線」で、本当にコスパが良いのはどっちなのか、その最終結論を下しやす!


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